選職のために

対談:アボットジャパン株式会社上保(うわぼ)篤信様×キャリアカウンセラー齋藤めぐみ(2)

今日はさらに踏み込んだ具体的な取り組みや今後、アボット ジャパンが目指している「ワンアボット」、「グローバル」についてお伝えいたします。

2008年5月21日

選職のために対談:アボットジャパン株式会社上保篤信様(2)

前編では、人事本部本部長である上保氏の「人事」という仕事に対する考え方や、アボット ジャパンにご入社されてからの改革についてお話をお伺いしました。今日はさらに踏み込んだ具体的な取り組みや今後、アボット ジャパンが目指している「ワンアボット」、「グローバル」についてお伝えいたします。

社員一人一人の「力」が競争力につながる

アボットジャパン株式会社 人事本部本部長 上保篤信様の写真
アボットジャパン株式会社
人事本部 上保篤信本部長

齋藤:自ら意思を持って動ける人材、セルフスターターの方にご入社いただきたい、育てていきたいという上保さんの熱い思いがよく伝わってきました。

上保本部長:現在、アボット社はヘルスケア部門で世界第9位。でも1位ではない。競争力を高めないと、買収・合併などが激しい業界において、勝ち残れない。

競争力を高めるには社員一人一人の力を高めていくことが何より大切です。戦略的に事業機会を増やすための合併や買収なども今後は行われていきます。そのためにも、健全な財務体質が大切ですし、それ以上に競争力の高い人材を育てることは急務です。

齋藤:グローバルでの合併や買収など、製薬業界はもとより、最近では様々な業界で聞かれるようになりましたね。

上保本部長:はい。実際にアボット社でも武田薬品との合弁会社を今度は会社分割し、営業部隊を含め、オンコロジー製品の資産を獲得しました。財務体質の良さもあるし、アボット社の商品開発力の強さが他社にとっても魅力的に映るのだと思います。

アボットジャパン株式会社

齋藤:すばらしいですね。アボット社の事業の魅力のひとつでもあると思うのですが、その商品開発力の強さの理由について教えてください。

上保本部長:グローバルでは、事業部間の異動が行われていることもあるでしょうね。まったく違う製品を扱う部署に異動すると、既成概念に縛られないアイディアや発想が出るのだと思います。事業部が多い特性ですね。ただし日本ではまだ、事業部間の異動がほとんどありません。競争力を高めるためには、クロスファンクショナルな(部門を越えた)異動も必要であると考えています。

齋藤:異動により新しい環境に行けば、また学ぶことも多いでしょうし、人材育成にはとてもよいことだと思います。日本で、クロスファンクショナルな組織にしていくために、どんな施策を行われていますか?

上保本部長:「ワンアボット」というスローガンを掲げています。
例えば、ひとつの病院に対して様々な事業部の複数の営業が担当しているケースがあります。でも病院側からすれば、「アボット」という1社として見るわけです。そのときに、その商品は自分の事業部のものではないから「わかりません」とお客様に答えてしまう状況では、顧客オリエンテッドではないわけです。

まずはそういう点から、どの担当が何を聞かれても、自社の製品のことは自分の事業部の製品でなくてもお客様に説明できるような体制にしていきたいと思っています。
「隣の部署のことは知らない」では、競争力は高まらない。顧客オリエンテッドでなければならないのです。

齋藤:「ワンアボット」「クロスファンクショナルな人材交流」が御社の競争力を高めていきそうですね。そういう意味でも人事部の役割は大きいですね。

上保本部長:そうですね。人事内部のその意識から変えていかなければならない。MRや商品開発といった現場のメンバーが業績に貢献している。1人1人の社員を支えていくのが人事の仕事なのです。それを人事部1人1人にも意識を浸透させていくことが大事だと思っています。

アボットジャパンで働く魅力

アボットジャパン株式会社 人事本部本部長 上保篤信様の写真

齋藤:いろいろお聞きしてきましたが、ここからは少し今後ご入社される方々へのメッセージとして、御社で働く魅力をぜひ教えてください。

上保本部長:アボットジャパンは、本当にいい会社だと思います。特に財務体質がよく、ずっと右肩上がりで成長し続けている会社です。アボットの中でも日本市場はアメリカに続いて2位の規模なので、シカゴ本社のVIPがよく来日します。本社VIPとの交流の機会も多いですし、自ら成長することができる風土です。

齋藤:海外への異動のチャンスもありますか?

上保本部長:海外異動のチャンスはあります。グローバルで仕事をするチャンスは本当にたくさんあります。
ただし、グローバルで仕事をするためには「英語力」が必須です。

齋藤:英語力があれば、グローバルで仕事をするチャンスも増えるわけですね。
外資系に勤める最大のメリットでもあるわけですね。

上保本部長:はい。今後は、国を越えてのM&Aもあるでしょうし、海外とのビジネスチャンスはどんどん広がります。グローバルで仕事ができるということは外資系に勤める最大の魅力だと思います。

齋藤:外資系と聞くと、「評価が厳しい」「成果主義」というイメージがありますが、御社ではいかがでしょうか?

上保本部長:私自身は「そうあるべき」だと思っています。会社に対してどんな貢献ができるのか、パフォーマンスマネジメントはやるべきだと考えています。

齋藤:今までお話をお聞きしていて、更なる競争力強化のための成長過程である今、非常にエキサイティングなお仕事ができそうだと強く感じます。

上保本部長:チャレンジングな今の時期だからこそ、チャンスがあります。アボットジャパンは仕組み・規模・財務体質など非常に基盤がいい会社でもあるので、競争力をつければダイナミックに面白いことができる会社であると信じています。

アボットジャパン株式会社 人事本部本部長 上保篤信様の写真

齋藤:外資系と聞くとダイバーシティマネジメントが進んでいるイメージがありますが、女性のキャリアについて御社として何か取り組まれていることはありますか?

上保本部長:産休や育休制度などはもちろんあります。ベビーシッター補助やメンタルヘルスなども含めて。ただ他社と比べてずばぬけて高い基準で取得が進んでいるとはまだ思いません。これからはダイレクター以上のポジションの女性を増やしていくことや、在宅勤務などの施策や制度も必要だと思います。グローバルな視点で見ると、アボット・グループには女性のダイレクターもたくさんいます。
女性のキャリアサポートというテーマは、すぐに検討を始めようと考えています。

30代のビジネスパーソンに向けて

齋藤:最後に、このコラムを読んでくださる方々の中心は30代のビジネスパーソンなのですが、最近の彼らについてどう思われていますか?

上保本部長:最近の30代の方々はおとなしいイメージがあります。素直ともいえるのですが、上司の指示に忠実に対応する力は高いのですが、自分の意見をもっと伝えるといいと思います。

齋藤:私も30代の1人なので身に染みるお話ですが、30代の方々にメッセージをいただければ幸いです。

上保本部長:そうですね。30代は一番キャリアの深さと幅が広がる年代だと思います。どんなことでもいいので、チャレンジして、何かを「モノ」にしてほしいと思います。一番、吸収できる年代でもありますしね。

齋藤:「チャレンジ」ですね。

上保本部長:アボットジャパンは、いつまでもチャレンジできる会社でありたいと思っています。

齋藤:今だけではなく、これからもずっと「チャレンジ」できる環境であり続ける姿勢はとても魅力的であり、御社の強みですね。今日は本当に刺激的で勉強になるお話を、ありがとうございました。

キャリアカウンセラー齋藤めぐみの目線

私自身も人事部・人材業界での経験が長いのですが、思わず「上保さんとお仕事したい!!!」と言葉に出てしまうほどのエキサイティングなお話でした。「人事で会社は変わる」ということはよく聞きます。しかし、実際にここまで取り組んでおられる方にお会いしたのは初めてで、とても感動いたしました。

インタビューの最後に、上保さん個人の今後のビジョンをお聞きしたら「今後は一企業だけのためではなく、業界全体、国全体のために働きたい」とおっしゃっていました。この視点の高さ、広さに感服いたしました。人事スペシャリストをぜひ育てていってほしいと思います。
アボットジャパンに入社し、変革に身を置くことで、必ず自ら成長するチャンスをつかめる。そう、感じさせるインタビューでした。


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T.Kさん(38歳)
業種/IT(情報・通信技術)/メディカル業界
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