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キャリアと関係の薄い質問だとお感じになるかもしれませんが、
あなたは今、株や債券の証券、あるいは不動産など、なんらかの金融資産に投資してますか?

2007年7月10日

自分投資・・・「分散投資」のススメ

こんにちは!
A・ヒューマンキャリア塾塾長の松尾です。

キャリアと関係の薄い質問だとお感じになるかもしれませんが、
あなたは今、株や債券の証券、あるいは不動産など、なんらかの金融資産に投資してますか?

もし、投資をやってらっしゃる、あるいは以前経験がある方なら、次のような格言を聞いたことがあるでしょう。

「すべての卵をひとつのカゴに盛るな」(Don't put all your eggs in one basket.)

仮にあなたが20個の卵を持っていたとして、それを全部ひとつのカゴに入れて運んでいたとします。ところが、運が悪いことに、途中で石につまずいてカゴをひっくり返し、中に入っていた卵は一つ残らず割れてしまいました。

残念でした。もはや悔やんでも後の祭りですが、同様に、投資を行うに当たって、たとえばA社の株にすべての運用資金を投入していたらどうでしょう。A社が倒産したら全運用資金がパアですね。


すなわち、上記の格言は、リスクが高くなるので特定の金融資産に投資を集中することはせず、複数の金融資産に分散して投資することによって、投資のリスクを下げるべきだということを示唆しているものなのです。ひらたく言えば、分散投資することによって、「大当たり」はしない代わり、「大損」もしなくてすむということです。これはギャンブルにも言えることでしょう。


さて、この分散投資の考え方ですが、「自分投資」にも適用すべきじゃないかと私は考えています。


「自分投資」とは、ここでは、実務をやる時間以外の時間を使って、研修を受けたり、通信教育を受講したり、ビジネススクールなどに通って、自分の持っている知識やスキルを高める行動という意味です。会社によっては、就業時間内にこうした自分投資につながる研修を受けさせてくれるところもありますよね。ただ、自分が身につけたい知識やスキルは、プライベートな時間に自腹を切って取り組まざるをえないことが多いと思います。


自分投資の重要性は、これまでもさまざまな形で取り上げてきたのでいまさら説明する必要はないかも知れません。しかし、自分の理想とするキャリアを追求するために、「自分投資」は最も重要なことだということは、何度強調してもしすぎることはないと思います。

現在、あなたがどんなに高い能力を持っていたとしても、あなたを取り巻く仕事や業界の環境は変化し続けています。現在の能力がいつか時代遅れとなり、必要とされなくなる日が来ないとは誰も保証してくれません。したがって、変わり続ける環境に適応するためには、あなた自身も現状に安住せず、常に新たな能力を開発し続けなければならないのは当然のことですよね。


え、仕事が忙しくて自分投資の時間がない?

確かに激務に追われて毎日午前様、朝も早くから出かけないと仕事が終わらず、休日は疲れ果てて何もやる気がしないという方もいらっしゃるでしょう。ただ、そうはいっても、いざ「あなたの能力は、もはやわが社では必要としていません」と宣告され、退職せざるを得なくなったとしても、誰も助けてはくれないのですよ。「自分投資」とは、文字通り「自分のための投資」です。なんとかしてそのための時間を作るように工夫すべきですし、それがどうしても難しい職場なら、転職もやむを得ないと思います。あるいは一時的に働かず、貯金で生活しながらスキルアップのための勉強に専念するといった選択肢もありますね。ただし、あくまで明確なキャリアデザインを考えた上での決断であるべきで、せつな的、行き当たりばったりの決断は避けなければなりませんが。


おや、あなたはちゃんと自分投資をやっていますか!

すばらしいですね。自分投資は、金融資産の投資と同様、長く続けることが高いリターン(キャリアでいえば、年収アップ)を生み出しますから、ぜひコツコツとやってください。

そしてまた、特定知識やスキルばかりに時間を投じるのではなく、今後有望であなたが興味のある複数の知識やスキルを並行して身につけられるように時間配分をすることをお勧めします。

先ほど述べた「分散投資」の考え方を適用するのです。

近年の環境変化は「ドッグイヤー」、あるいは「マウスイヤー」と呼ばれるほどにめまぐるしいものになっています。あっという間に知識やスキルが陳腐化していきます。しかも、コミュニケーション能力のような、普遍的に必要とされる基礎力はともかく、特定の業務に役立つ新しい知識やスキルは、何がもてはやされ、何が受け入れらずに終わるかを事前に的確に予測することが困難です。

私も在籍していたことのあるIT業界などは特にこのことが顕著です。次々と新たな技術が生み出されるものの、どれが一般的な技術として重要になるかはなかなか予測できません。したがって、どんなに自分としては「次はこの技術の時代が来る」と自信を持っていても、外れることがあります。その時、その技術を身につけることだけに時間や金を投じていたら問題ですよね。


ですから、どんな業界にしろ、自分投資の対象は、たったひとつの知識やスキルではなく、有望な複数の知識やスキルに振り分けることによって、リスクを低減することが望ましいと思います。もちろん、複数のことを並行してやるのは、ひとつのことだけに集中するよりも短期的な効果は下がりますし、なにより大変でしょう。


自分投資における「分散投資」を心がけることは、決して100%完全に予測できることのない「未来」を不安なく迎えるために、とても有効なキャリア方策だと思います。


by 松尾順

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