キャリア塾

キャリアインタビュー:大塚雅樹氏

2007年7月4日

キャリアインタビュー:大塚雅樹氏(1)

— 大塚さんは、JTBの社内ベンチャーであるJTBモチベーションの事業立ち上げに参画され、現在は同社の代表取締役社長になられているわけですが、

まず、JTBモチベーションはどんなビジネスを展開されているのか教えてください。

株式会社JTBモチベーションズ 代表取締役社長 大塚雅樹氏

弊社は、ひとことで言えば、働く人の「やる気」(モチベーション)を高めて、会社の業績を上げるためのコンサルテーションをやっています。

具体的には、企業の社員さんの「やる気」の高さを測定するサーベイ(調査)を独自開発して実施しています。また、サーベイの結果に基づいて、やる気を高め、コントロールするための社内研修を行っています。営業キャンペーンの表彰式において、セールスマンのやる気をさらに鼓舞するために効果的な演出を企画・運営するサービスや、コールセンターのような、お客様からの電話を受ける担当者のやる気を維持・向上させるためのワークショップなども手がけています。

また、最近では、営業キャンペーンの運営をネット上で手軽に行うことのできる新サービス「キャンペーン・ナビ」 (「http://www.campaign-navi.jp)を開始しました。

業績も好調のようですね。

弊社は93年の設立で、今期が15期目になります。設立3年目の95年に単年度黒字を達成、96年には累積損失を解消しまして、以来、おかげさまで黒字を維持しつつ、ずっと右肩上がりの成長を続けてきました。

なるほど。そうすると、御社は、JTB社内ベンチャーの成功事例のひとつというわけですね。

ところで、事業立ち上げに参画された時、大塚さんは何歳だったのですか?また、事業参画前はどんなお仕事をされていたのでしょうか?

株式会社JTBモチベーションズ 代表取締役社長 大塚雅樹氏

同事業の社内公募に応募したのは、私が29歳の時でした。
私は、86年に新卒でJTBに入社、新宿支店に配属されて、主に保険会社や不動産会社などの営業マンを対象とするインセンティブ・ツアー(報奨旅行)の営業、企画、添乗を担当しました。当時はバブルの好景気でしたし、私が提案したさまざまな旅行企画も通りやすく、仕事が大変やりやすい時代でしたね。

「モチベーションビジネス」の事業の参画者を求める社内公募に応募されたきっかけは?

先ほど申し上げたインセンティブ・ツアーには、トップ営業マンだけが参加できるわけですが、だいたい毎年、顔ぶれが同じなのですね。それで、ツアーに参加できないその他の営業マンの人たちのやる気はどうなのだろうとか、気になっていました。また、ツアーに参加している人に話を聞くと、ツアーに参加したいから、営業成績を上げようとがんばっているわけでは必ずしもない。インセンティブ・ツアーの仕事を通じて、私の中には、人々の「やる気」についての問題意識が高まっていたのです。

そこにちょうど社内公募が、渡りに船という感じで始まったのですね?

そうです。社内公募の開始は91年1月でしたが、私にとってはぴったりのタイミングでした。社内公募のタイミングが早すぎても、遅すぎてもダメだったでしょうね。というのも、新宿支店時代、私は好成績を上げている営業マンの一人としてビジネス誌に掲載されるなど、社外でもちょっと知られるようになっていました。それで、ヘッドハンターから、いくつか他社への転職の話が来ていたのです。

一方で、旅行の仕事も5年ほどやってきて、ある程度JTBの中での将来のキャリアパスが見えてきた時、旅行の仕事をこのままずっと続けていくことについて、多少の疑問を感じるようになっていました。旅行以外の、何か別の新たなチャレンジがないかと考えるようになっていたのです。

そこに、私が気になっていた人のモチベーションにかかわる新規事業をJTB社内で始めるということで、すぐに飛びついたわけです。もし、この社内公募がなければ、他社に転職していたかも知れません・・・

キャリアの転機における、そうした偶然のきっかけがその後の人生を大きく変えることになるというのはよく言われることですが、大塚さんはそのチャンスを見逃さなかった。

株式会社JTBモチベーションズ 代表取締役社長 大塚雅樹氏

はい。「このビジネスをやるべき人間は私だ」という強い確信がありました。社内公募には100人以上が応募し、役員の面接を経て私が選ばれたのですが、後で役員の方には、「面接の時の大塚君には迫力があったね。」と言われましたよ。