キャリア塾

キャリアインタビュー:ソーントン不破直子氏

日本女子大学リカレント教育・再就職システム
日本女子大学 文学部英文学科
大学院文学研究科英文学専攻
教授 ソーントン不破直子氏

2008年9月27日

キャリアインタビュー:ソーントン不破直子氏(2)

「内部監査」というのはどういったものでしょうか?


日本女子大学 文学部英文学科
大学院文学研究科英文学専攻
教授 ソーントン不破直子氏

近年、「食品偽装」など、企業内部の問題が原因となって起きる不祥事が問題になっていますよね。ああした事件は企業の信頼性を著しく低下させ、企業の存続を難しくします。内部監査というのは、企業の信頼獲得や企業価値の向上のための企業倫理や法令順守、企業の社会的責任の遂行といった視点から、企業運営を適切に行うために行う監査業務です。

組織内でこの業務の具体的な責務を担う人を内部監査人と呼び、公的な国際資格‘Certified Internal Auditor:CIA’があります。講座として「公認内部監査人準備講座Ⅰ、Ⅱ」を開講していますが、これを修了すると、この資格を取るための受験資格を自動的に取得できます。

実は、国内だけで通用する日本語のCIA講座をやっている所はありますが、国際資格としてのCIA取得のための講座があるのはこのプログラムだけなんですよ。大企業では、これまで海外のビジネススクールに派遣してCIAの国際資格を取得させていたのですが、日本女子大でこういう講座ができたということで、当科目だけ受講(聴講)させてもらえないかという依頼が企業から来ています。

そうした非常に専門性の高い資格を持っていれば、再就職にも有利でしょうね。ところで、当プログラムは1年間という期間を設定してありますが、その理由を教えてください。

しばらく仕事を離れていた女性が円滑に復職できるためには、3カ月やそこらの期間では短すぎるだろうと考えたからです。この点は、キャリア開発論を担当されている先生も、教えてみて実感されています。

即戦力として働けるだけの高い能力を身につけるためには相応の期間が必要ですし、以前働いていた時とは、企業を取り巻く社会環境も大きく変わっていますから、そうしたことについての知識も習得する必要があります。復職すると、これまでの家庭や子供主体の生活が一変しますから、精神的な面でも十分な移行・準備期間を取るべきなのです。

大学側としても、修了者の再就職活動の支援をすることは、新卒学生同様、大学が企業に対して、送り出す学生の「身元保証」をすることに等しいわけです。ですから、学生の意欲や適性を十分に見極め、適切な進路指導、就職支援をするためには、1年程度の長さは必要だと考えました。

キャリアにおける、いわゆる「トランジション(移行期間)」として、1年間の当プログラムが有効に機能するのではないかと思います。では、次に再就職の支援について教えてください。

「リカレント教育・再教育プログラム」修了者に限定した求人情報が掲載されたWebサイトを立ち上げています。日本女子大は、東京商工会議所の会員となっており、当会議所の会員企業を中心に350件もの求人を閲覧できるんですよ。

また、在日米国商工会議所(ACCJ)も当プログラムに対して当初から理解を示してくれ、外資系企業を中心とした求人を受けつけています。ACCJでは、当プログラム修了者を使った女性の再就職支援のパイロットプログラム「ACCJ Soft-Landing Mini-Curriculum」を立ち上げてくれたほどです。このパイロットプログラムでは、修了者を対象として定期的に研修会が開かれています。

学生さん側の再就職についての意欲や考え方はどうですか?

就職活動に熱心に取り組む学生がいる一方、学生によっては、久しぶりに大学に戻って学ぶこと自体が楽しくなり、1年と言わずもっと在籍して勉強を続けたいという人もいます。在籍者全員が強い再就職意向を持っているというわけではないということですね。
私は、学生たちに定期的に一斉配信のeメールを送っているのですが、その中で働くことの意義や取り組み姿勢の重要性、あるいは働くことの厳しさについてかなり強く訴えることで、学生たちの奮起を促しています。学生たちにとってはちょっと怖いメールとなっているようですが(笑)

なお、本人の考え方や適性によっては、一般企業への就職ではなく、専門職として独立したり、ベンチャーを立ち上げたり、あるいはNPOなどの非営利団体の設立や就職に向いている人がいますから、修了者は様々な分野に幅広く展開していくことになると思います。